琉大、長命草に抗肥満効果 有効成分「プテリキシン」同定

 琉球大学熱帯生物圏研究センター(098・895・8972)は、沖縄県・与那国町特産の機能性ハーブ「長命草(ボタンボウフウ)」で、抗肥満効果を解明した。研究は、兵庫県の総合受託メーカーで、与那国町商工会の商標「長命草」の使用権を保有する日本ランチェスター工業と共同で行われたもの。研究成果はオランダの学術誌「ニュートリション」ネット版に掲載された。
 同センター・屋宏典教授のグループでは、2006年に長命草の機能性研究をスタート。ラット実験で長命草の体重減少作用を確認している。
 研究グループではその後、長命草の抽出物を分離・生成し、脂肪細胞・肝臓細胞・筋肉細胞への作用を検証。さらに、抗肥満効果を持つ有効成分の同定を進め、化合物の一種「プテリキシン」が中性脂肪の合成を抑制する物質であることを突き止めた。屋教授は、「プテリキシンを高含有する長命草を栽培できる可能性もある。すでに沖縄県のプロジェクトの中で、試験栽培に着手している」としている。